中国事情

沼津仏教会主催で昨年のインドに続き第二回目の海外仏跡の旅を企画し、僧俗共に十三名の皆様と一行させて頂きました。個人的には中国は四回目ですが、なにせ広すぎて、何遍言ってもとらえ処のない大国です。 十年目にしていく北京は全て様変わりをしておりました。大きなビルが立ちはだかり、広く長い高速道路が張り巡らされていました。服装も以前は女子でもくすんだ緑色の国民服でした。今は赤色、黄色など考えられない程明るくなりました。男子の服装も日本人と同じで、喋らなければ全然判断できません。 中国のお寺は以前は文化大革命で壊され、僧侶も還俗又は殺されたりして、可哀相な状況でした。しかし、現今は寺院が修復され多くの寺々への観光も含め参拝者が一杯です。丁度、中国の仏教副会長さんが導師をされている法要に出会いました。僧侶たちの後には信者さんがたくさんいて略した衣を着て読経しておりました。大変珍しい光景でした。 一人のまだ若い僧がヘッドホーンを聞きながら、一生懸命何か勉強している姿を見て感心しておりましたら、本は日本の小説で日本語の勉強をしているところでした。日本に対する海外渡航熱を強く感じた次第です。日本は熟した柿実、中国はこれから赤くなる青い柿の実のような近代的文化の差は感じますが、何をも恐れぬ元気な中国、身体がだろく、やる気を失った日本の差も感じたのは私だけでしょうか。 中国は十二億の民、日本は一億二千万の民。国土の大きさの違い。資源の豊富さの違い。二十一世紀、物ではなく心の持ち方が如何に大切かがキーポイントになることでしょう。早く日本も自信を取り戻してほしいものですね。

平成11年9月吉日

三明寺住職 大嶽 正秦